つっこみ目線

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NHK プロフェッショナル「脅威のエボラ 英知をかけて挑む」を観た感想

プロフェッショナル、エボラウィルスの研究者、高田先生の回を観た。


髙田礼人(2015年1月5日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

エボラがその致死率の高さにも関わらず、単なるアフリカの風土病としてあまり世界から注目を浴びていなかった時から、研究を20年続けて来た話。

番組の中では、複数の型のエボラウィルスに交差活性をもつ抗体の発見も取り上げられていた。何より「凄いな」と思ったのは、もう40代後半の教授が東南アジアやアフリカから調査の依頼があれば、自分で飛んでいって、しかも自らの手で実験を行うこと。

番組の中でも映し出されたが、8連のピペットマンを使ってプレートを10枚とか作ってアッセイを行うなんてポスドク(通称:ピペド)の仕事だという認識が多い中、こんな偉い人が自ら実験するんだなあ、と感心した。

私もいつまでも手を動かしていたいタイプで、手を動かしていて浮かんでくるアイデアも多いので、共感するとともに目指すべき姿だなあ、と思いながら観ていた。

で、その高田先生が、こう仰っていた。

「仕事って、誰か、他人のためにやってますよね。それは研究者も同じで、研究は好きなんだけど、それだからで成り立つわけないわけでさ。社会の中の仕事って、必ず他人のためだと思うんです。人の生活をよりよくしていくっていうのが、科学者の役目だと思いますけど。」

なるほど。基礎科学をやっている人が多い僕の職場には、この定義だと「科学者」はほとんどいない。

若いうちは何となく無邪気にやってたけど、だんだん年を取ると「役に立たない」ことと続けるプレッシャーに勝てなくなってくる気がする。

とはいえ、ノーベル賞を取った下村先生の緑色蛍光タンパク質GFP)も「なんでクラゲは光るのか?」っていう役に立たない疑問から始まっているので、全く必要がない訳でもないんだろうけど、この景気が悪い時代にお金がかかりすぎるのもねえ。

悩みは尽きませんね。